プロに習う大人の家庭科27時間目 梅雨どき洗濯術  今月の先生 洗濯家 中村祐一さん

ジメジメ&ジトジトな梅雨の季節。
ただでさえ気持ちが沈みがちな季節ですが、この時季は洗濯物がなかなか乾かないし、部屋干しして生乾きだと嫌なニオイがするしで、ますます気持ちが沈んでしまいますよね。今回は洗濯家・中村祐一さんを先生に迎え、ニオイを防いで、なるべく早く乾かせる、梅雨どき洗濯術をご紹介します。

部屋干ししたときの嫌なニオイを防ぐには

漂白剤 イメージ

あのニオイの原因は、なんと“菌のフン”!

「部屋干しをすると、洗濯物から生乾きの嫌なニオイがする」というのは、よく聞く悩みです。実は、部屋干しをするから臭うのではなく、洗濯物がちゃんとキレイになっていないから臭うのです。

あのニオイの原因は、「モラクセラ菌」という微生物。さらに正確に言うと、その菌の出すフンです。さらに、部屋干しだと乾きにくいため、菌の繁殖に必要な水分が長時間、衣類に留まってしまい、加えて日光の紫外線による殺菌効果も期待できません。このように、梅雨どきの部屋干しは、菌が繁殖しやすい環境になることで、洗濯物が臭くなってしまいます。この嫌なニオイを解消するには、上に挙げた原因を上手に取り除いてあげれば解決します!

なるべく毎日洗濯する

モラクセラ菌は、水分や人の皮脂タンパク質を好みます。そのため、汗を吸った衣類や濡れたバスタオルを放置すると、菌が大繁殖して、あの雑巾のような嫌なニオイの元となるのです。なるべく洗濯物はためこまずに、こまめに洗濯しましょう。

また、一度の洗濯の量は、少ないほど汚れが落ちやすくなります。加えて、部屋干しの限られたスペースにもゆとりを持って干せるので、乾きやすくなります。

洗濯前に粉末酸素系漂白剤でつけおき

洗濯前にニオイの元であるモラクセラ菌を漂白剤で殺菌・除菌する方法です。

洗濯機または浴槽(洗濯物の量が少ない場合はバケツなどでも可)に40~50℃のお湯をためます(温度が高すぎると洗濯機の故障の原因になるので、50℃くらいまでにしましょう)。そこに「つけおき」や「シミぬき」の分量の粉末酸素系漂白剤を加え、洗濯物を20~30分つけおきします。

つけおき後は、軽くすすいで、洗濯機で通常通り洗濯を。

中村祐一さん

40~60℃が、最も酸素系漂白剤の除菌・殺菌効果が高まる温度。水だと効果が出にくくなってしまいます。 つけおき中は浴槽や洗濯機にフタをすると、お湯が冷めにくくなり、効果がUP!

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酸素系漂白剤の液体と粉末の違いって?

酸素系漂白剤には液体と粉末の2タイプがあり、主成分がそれぞれ異なります。液体タイプの主成分は過酸化水素なのに対し、粉末タイプは過炭酸ナトリウムが主成分です。

粉末タイプの方が、高い除菌・殺菌効果があります。

液体タイプは粉末タイプよりも漂白力が弱いものの、毛や絹にも使えるなど扱いやすいのが特徴。また、水に溶けやすいので洗剤と一緒に洗濯機洗いで使ったり、水洗いできる洋服のシミに直接垂らしたりして使います。

お湯で洗う

風呂の残り湯を洗濯機にいれる写真

40℃のお湯で洗濯すると、モラクセラ菌のエサとなる皮脂やタンパク質が落ちやすくなります。入浴後すぐの残り湯を使用してもOKですが、垢が浮いている程汚れている場合は逆効果になってしまうので、なるべくきれいなお湯で洗濯しましょう。

洗剤は「部屋干し用」がおすすめ

部屋干しのニオイ対策には、除菌・殺菌効果のある洗浄力の高い洗剤を使うと効果的です。最近は、部屋干し用の洗濯洗剤が多く売られています。これは、一般洗剤よりも除菌・殺菌成分がより強力になっています。

また、粉末洗剤は液体洗剤より洗浄力が高い反面、水に溶けにくい、色落ち・色褪せを起こしやすいという欠点があります。色の濃い衣類を多く持って入る場合は、消臭効果のある液体洗剤がおすすめです。

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柔軟剤は正しい使用を

昨今ブームにもなっている香り成分を含む柔軟剤ですが、汚れを落としきらずに使用すると、部屋干しのニオイと混ざって、かえって嫌なニオイになってしまいます。

また、規定量以上の柔軟剤を使うと、次の洗濯の時に汚れとなってしまい、洗剤の洗浄力を下げてしまいます。

柔軟剤は、しっかり汚れを落としてから、正しい量で使いましょう!

洗濯機を清潔に保つ

洗剤投入ケース、ゴミ取りネット、乾燥フィルター、排水フィルターなどが洗剤カスやホコリで汚れていると、洗濯物に汚れが付いたり、ニオイの元になります。外せるパーツはできる限り外して、こまめに掃除しましょう。ぬるま湯につけながら歯ブラシでこすれば、簡単に汚れが落ちます。

また、洗濯槽の裏はカビが繁殖しやすい場所。使用しないときは洗濯機のフタを開けて、なるべく乾燥させましょう。洗う前の洗濯物を洗濯機内にためるのも、雑菌が繁殖しやすくなってしまうのでNG。洗濯物は通気性の高いカゴなどにためましょう。

洗剤投入口
洗濯槽
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洗濯槽を大掃除!

洗濯をしたら、洗濯物に黒い汚れが付いている…なんてときは、洗濯槽の裏側が汚れている可能性大。

洗濯槽は、先ほど紹介した粉末酸素系漂白剤で掃除することができます。黒い汚れが、びっくりするほど浮いてきます!できれば月に1回は掃除するのが理想的です。

やり方
  • 洗濯機に40~50℃のお湯をたっぷりためる(ドラム式洗濯機の場合は、バケツ1杯分程度でOK)

  • お湯10ℓにつき100gを目安に粉末酸素系漂白剤を入れる

  • 3分程洗濯機を空まわしして、漂白剤を撹拌したら、最低2時間、できれば一晩つけおく(ドラム式の場合は、槽洗浄コースなどを使用する)

  • 衣類は入れずに、「洗い」→「すすぎ」→「脱水」で空運転させる。汚れが酷い場合は、汚れが浮いてこなくなるまで何回か繰り返す

早く・キレイに乾かす部屋干し方法

乾燥時間は5時間がタイムリミット!

洗濯で汚れと菌を落としたら、菌が増殖する前に乾かすことが重要です。部屋干しのニオイは、洗濯から5時間を越えると発生しやすくなります。そのため、ニオイを防ぐためには、5時間以内に乾かす必要があります。とはいえ、梅雨どきに部屋干ししても、なかなか乾きませんよね。洗濯物を早く乾かすポイントは、次の4つです。

  • 干す場所の湿度を下げる
  • 風を当てる
  • 空気の循環
  • 洗濯物の表面積をなるべく広くする

これらをふまえて、部屋干しでも5時間以内で乾燥できるテクニックをご紹介します。

カーテンレールに干すのはNG

ついついやってしまいがちですが、カーテンレールに洗濯物を干すのはNGです。

窓や壁の側は、空気の動きが悪いため、洗濯物が乾きにくい場所です。特に梅雨時は、窓に結露が発生することが多いため、より乾きにくくなってしまいます。さらには、カーテンや窓枠の汚れが洗濯物に付いて、ニオイの原因にも!

部屋干しをするときは、部屋の中央や、部屋と部屋の間の鴨居など空気の動く場所で干すようにしましょう。

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オススメは浴室干し!

浴室干し 写真

浴室は湿気がたまりづらい構造になっているので、実は部屋干しに最適な環境です。部屋を物干し台に占拠されることもありません。

浴室乾燥機の「乾燥」モードを使用するのが最も効果的ですが、電気代が気になる場合は、換気扇を回しておくだけでもOK。

エアコン・扇風機を活用する

エアコン
部屋の中央に洗濯物を干し、エアコンで乾燥

エアコンの風が当たる位置に物干し台を設置しておくと、早く乾きます。エアコンは、その人が快適に感じる設定で大丈夫です。

干している間に外出をするなら、干した直後にタイマーで1時間ほど20~30℃の「暖房」に設定しておくのも効果的です。

ただし、エアコン内部が汚れていると、雑菌やハウスダストが含まれた風が送られることになってしまうので、こまめに掃除するようにしましょう。

扇風機

扇風機やサーキュレーターを首振り運転にして、水分がたまりやすい洗濯物の下の方に向かって風を送るようにしましょう。

上からエアコン、下から扇風機で挟み撃ちにすれば、さらに早く乾きます!

早く乾かす干し方

生地が重なった部分は乾きにくいため、なるべく表面積を広げて風を通しやすくすることで、乾きやすくします。

また、干すときは、できるだけ洗濯物同士の間を空けて、布同士が触れ合わないようにしましょう。

ここでは、効果的な干し方をご紹介します。

  • アーチ干し

    アーチ干し

    外側に長い物、内側に短いものを干してアーチ状にすると、アーチの内側で上昇気流が発生し、空気の循環が生まれ、早く乾く

  • 襟を立ててボタンを外す

    襟を立ててボタンを外す

    シャツなどの襟のある服は、襟を立てて干す。また、カフスを含め、ボタンは全て外す

  • 吊り干し

    吊り干し

    パンツやスカートなどは、裏返してから筒状にして空洞を作り、ピンチハンガーなどに吊るして干す。ポケット部分は外側に出す

  • バンザイ干し

    バンザイ干し

    袖とフードがある厚手のパーカーは、逆さまに干してわきをあけ、フードも空気に触れるようにする

  • M字干し

    M字干し

    バスタオルなど大きめのものを干すときに

  • 中村祐一さん

    ハンガーは針金製のものより、肩部分が太めのものの方が、衣類が触れ合わず早く乾きます。クリップ付きのものだと、色々な干し方ができてさらに便利です。

    太いハンガーが早く乾く
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干す前のアイロンで清潔&時短!

アイロンがけ 写真

干す前の一番水分を含んでいるときに高温で軽くアイロンがけすることで、早く乾きます。

しかも、モラクセラ菌は熱に弱いので、ニオイも防げて一石二鳥!

赤ちゃんの肌着など、衛生に気を付けたい物は、特におすすめです。

まとめ

「洗濯物が嫌なニオイになる」「乾きにくい」とネガティブイメージの多い部屋干しですが、大気中の汚れや花粉が付かないといったメリットもあります。やり方のポイントさえ押さえれば、雨の日以外にも役立ちますよ。

気持ちのよいお洗濯で、ジメジメな梅雨の時季を少しでもさわやかに過ごしましょう!

今月の先生

中村祐一さん

中村 祐一 さん

1984年長野県生まれ。家業のクリーニング店「芳洗舎」の3代目。多くの人の洗濯は「洗濯風」であると説き、洗濯アドバイザーとして日本の家庭に真の「洗濯」を伝えている。

「洗濯王子」の愛称でインターネットのほか、テレビをはじめ、各種メディアに出演多数。著書に『幸せを呼ぶスマート洗濯』(ポプラ社)他多数。

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